和太鼓

和太鼓の部位・名称を写真付きで紹介します 【長胴太鼓編】

太鼓の部品の名前がわからない、太鼓の部位や部品にも呼び方がいろいろあってよくわからない、何が正解なの?

 

←そんな太鼓の部品の疑問にお答えします。

今回紹介するのは長胴太鼓の部位名称

 

長胴太鼓・宮太鼓・大胴など呼ばれ方が様々ある太鼓です。太鼓の名称は方言の要素か強く、由来や語言も諸説ありますので正解・不正解は特にありません。いわゆるイメージする一般的な太鼓です。

部位を解説する前に長胴太鼓の基本的なことをご紹介します。太鼓のサイズの単位は一般的には尺貫法の尺寸で表されることが多いです。

1尺≒30cm  1寸≒3cm

とお考え下さい。実際303mmですが、建築の世界では誤差がでると建物が建たなくなるのでより細密ですが、太鼓の世界ではある程度目安として見て下さい。

 

 

太鼓の大きさの測るところは鼓面のサイズ

太鼓は胴の真ん中でダルマのように膨らんだ”ふくら”があります。そのため、太鼓の呼び名と胴回りは違い、ふくら部分の方がちょっと大きくなります。長胴太鼓の高さはある程度太鼓尺数に連動して高くなりますが特に規格や決まりがあるわけではなく、太鼓屋さん・太鼓メーカーにより若干異なります。

 

太鼓の構造について

太鼓は非常に単純な構造で、原始的なものです。

大木の中身をくり抜いて筒状にし、牛の皮を張り、緩まないように鋲(釘のようなもの)で打ち、持ちやすいように取ってを付けた楽器です。

だからこそ、バイオリンのように音を鳴らすための練習や、音階の難しさなどは無く誰でも簡単に「叩けば鳴る」楽器なので手軽に楽しむことができる楽器です。

 

これが、太鼓の魅力のひとつですね。さて、そろそろ和太鼓部位と名称についてです。

 

和太鼓の部位・名称について解説(写真付き)

和太鼓の部位・名称「面」

“面(めん)”のほか、皮(かわ)・銀面(ぎんめん)・鼓面(こめん)など呼ばれ方をします。名称の説明は不要かと思いますが、太鼓を打ち鳴らす、太鼓の叩く部位です。

長胴太鼓の場合の素材は、ほとんどが牛皮です。太鼓に必要な耐久性に優れ、また音の鳴りも良い牛皮がよく採用されます。呼び方に、銀面とあるようになめした皮面は光沢があります。

余談ですが、牛の皮なので太鼓の面をよく見るとアザの跡やホクロなどがあります。また牛の個体差やなめしかた違いで、色白な太鼓面や褐色の太鼓もいます。良し悪しは特にありませんが、太鼓は工業品とは違い個性が非常に多くでる楽器です。

 

和太鼓の部位・名称「鋲」

太鼓の皮が緩んでしまわないように胴に打ち付けて釘のようなもの・部位を”鋲(びょう)”と言います。

素材は鉄でできているものが多く、大工などに用いる釘に比べて太くて短い独特の形状をしています。

太鼓が大きくなれば鋲も多く、大きくなります。ギネスブックに載るような大きな太鼓は500円玉ぐらいの大きさの鋲になります。

和太鼓らしさを感じられる部分のひとつです。一般的には2列でぐるりと囲いますが、皮の張りを強くする場合に3列で打ち付けることもあります。

 

和太鼓の部位・名称「胴」

和太鼓の胴には木材を使用し、大木からくり抜いた一本ものを使用します。木種は、欅(ケヤキ)が木目の美しさ、音の余韻の残りなどから最高級とされています。そのほかにも、栓、楡、楠、、などが使用されています。

皮と異なり、破れたり・磨耗する事が少なく胴は長く利用ができます。正しく太鼓を取り扱いをすれば、一生物の財産になります。

最近は2尺(60cm)を超える原木が少なくなり、国産の木材の太鼓は非常に高価です。最近では輸入木材も珍しくありませんが、それでもくり貫きの長胴は高価な太鼓です。

 

ちなみに実売価格は以下の通りです。

 

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太鼓 長胴太鼓 (目有りくりぬき胴)1尺6寸 -直径48cm-

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感想(0件)

和太鼓の部位・名称「釻

太鼓を持つときの取っ手・持ち手を”釻(かん)”または”環(かん)”と呼びます。金属製の輪っかの部位です。

和太鼓の場合は、胴の左右に一つづつある事が通例ですが、大型で二人では持ち運べない大きさの太鼓になれば、3つ・4つと付いていることもあります。

太鼓の用途によっては左右対象の位置についておらず、釣り上げやすいように、担ぎやすちようにずらした位置に取り付けられている特殊な太鼓もあります。

 

和太鼓の部位・名称「座金」

文様のようにデザインが施されている部分を”座金(ざがね)”と呼びます。ぱ釻の部分に付いている穴隠し兼飾りです。

太鼓屋さんにとっては家紋に当たるもので、デザイン性が高く、重厚感があるものになっています。車のエンブレムのようなものです。

実は、同じ太鼓屋さんでも太鼓のグレードにより、座金のデザインが違います。欅の特級品の太鼓とA級品では座金の華やかさが異なり、特級品の方が上回ります。

 

一般的な名称(と思っていること)を記載させていただきましたが、万一誤っている内容やこういう呼び方もあるよ、ということがあれば各種問い合わせフォームからお知らせいただけると助かります。

私自身も太鼓の勉強をするときには、浅野太鼓さんから販売されている「太鼓という楽器」という本から読みました。太鼓の構造や音の構造、木種についても細かく掲載されていて勉強になります。

初めて読むには体系的にまとまっていて非常に良書だと思います。太鼓という楽器に言及している本のため楽曲や祭り文化などの記載は少ないので楽曲をお求めの場合は他書籍が良いかと思います。

参考:太鼓という楽器

太鼓という楽器

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【このページのまとめ】

  1. 今回紹介するのは長胴太鼓の部位名称
  2. 和太鼓の部位・名称について解説(写真付き)